「なんのために勉強するの?」「どうして第一志望でなきゃいけないの?」―豊かだった昭和の時代、能天気な私たちは、ほとんどそんな疑問を持ちませんでした。ちゃんと勉強して、いい学校に行けば、幸せな未来が約束されていたからです。でも今は・・・
子どもたちの素朴な疑問に、あなたはなんて答えますか?そして、彼らを正しく導いてあげることができますか?
今回ご講演をいただいたのは、岡谷市・諏訪市・上諏訪で学習塾「ファーストステップス+未来塾」を展開する株式会社ファーストステップスの浅原 謙氏。“子供たちが望む第一志望の合格率:8年連続100%”と驚きの実績を誇る学習塾の秘密を公開していただきました。
塾の教育理念は、「まちの寺子屋で、自分のベストを探求する」。―学びのプロセスを大切にし、小さな成長を共感しながら探していく教育を実践しています。
集団授業でも個別指導でもない、目的に応じた自主学習を行う『個別進度学習』、 小学生と高校生が同じ教室に混在する『無学年制』など指導方法はとてもユニーク。最近では、学校の宿題に対応したコースや面接の練習に特化した授業なども好評です。
塾の最大の特長は、受験を通じて自主性を身に着けること、人として成長することに重きを置いている点です。そのために塾が大切にしていることは、例えば・・・
- 生徒は、体験レッスンや横断教育を通じて、第一志望校に合格するために「何をがんばるのか」「誰とがんばるのか」を自分で決めます。
- 生徒の希望と保護者の要求を見極めるために、1家庭で1時間以上の面談を行います。
- 学校のリアルな実態を把握するために、学校とのコミュニケーション、視察などを密にします。(事実、浅原氏は市内8校のすべての運動会を視察しているそうです。)
「うちの子合格できますか?」「どんな力が必要ですか?」「何を習ったらいいですか?」・・・保護者は常に即効性を求めます。「だから、事前対応の提案が不可欠なんです。」と語る浅原氏。学習の成長よりも人間的な成長が大切と保護者に理解してもらい、共感を得ながらともに成長を目指しています。
現在の学習塾に求められるものとは・・・学校教育の補完、受験への対応・・・それだけで十分でしょうか?
昭和以前の家庭や地域コミュニティが果たしてきた役割、部活などの失われた文化がもたらしてきた大切なものはどうするのでしょうか?機会を失った子供たちは置き去りでしょうか?「ファーストステップス+未来塾」は、そのギャップさえ埋めようとしています。業界では非常識ともいえる前例のない教育方針やシステムを臆することなく実践し、短期間に成果をあげることに成功しています。
思うにその原動力は生徒を家族のように思う気持ちではないでしょうか。浅原氏の講演の端々ににじみ出る生徒への感情。それは塾の経営者ではなく、父親のそれでした。
“岡谷市の生徒の17%が塾生”“入会者の94%が紹介”という塾も過疎が進み見込客が減少する厳しい現実に新たな挑戦が求められています。
私たち大人は誤解しているのかもしれません。忘れているのかもしれません・・・子供って成長することが楽しいんです。だから学ぶのに理由なんかないのです。
浅原先生はじめ、大好きなメンターと学ぶ楽しさを知り、問題解決の方法や目標達成の技術を身に着け、「なんとかなる」「なんとかできる」メンタリティを持った子供たちは、きっと岡谷市から羽ばたいて、あるいは根付いて、豊かな社会を創ってくれることでしょう。