活動情報

株式会社SEA Global 山下修作氏講演会 5月15日

Jリーグ発足からわずか33年。今や全国各地に地域に根差したクラブチームが誕生し、地域の誇りとして熱狂的なサポーターに支えられ、健全な経営基盤を築きながら発展を続けています。地域の若者が夢を追い、大人たちはクラブを中心にまちづくりへ参画する。そんな「スポーツを通した人間づくりと地域活性化」のモデルに、いまアジア各国が熱い視線を注いでいます。この現象は、偶然ではなく、ある“仕掛け”があったからこそ。あなたもその舞台裏を覗いてみませんか?

ご講演をいただいたのは、Jリーグ発展の仕掛け人として知られる株式会社SEA Globalの山下修作氏。今回は『スポーツを通した人間作りと地域開発』というテーマでご講演をいただきました。同社は2003年7月に設立された東京都渋谷区に本社を置くスポーツマーケティング会社。Jリーグのファンサイトの運営、東南アジアにおけるプロモーション支援など、Jリーグの今日の発展に貢献してきました。

現在、41都道府県に60ものクラブチームがあり、地域に根付いた強固な組織と運営の仕組みを持つJリーグはアジア各国から注目を集めています。

同社は当初からアジアを視野に入れた戦略を展開してきました。日本代表が強くなれば、育成の重要性が注目される。Jリーグはそのノウハウを惜しみなくアジア諸国に提供し、信頼とネットワークを構築。その先にあるのは、経済的・人的リターンを見据えた戦略。こうして得た成果を、地域やスポンサーにしっかりと還元しながら、Jリーグは持続的な成長を遂げてきたのです。

「Jリーグには、ピッチの外にも世界に誇れる価値がある」と語る山下氏。それは「涙と笑顔」、そして「絆」。地元チームの勝敗に一喜一憂し、家族のように感情を共有するサポーターたちの姿に、山下氏は「この光景をアジアに広めたい」と感じたといいます。さらに、東日本大震災の際には、クラブの垣根を越えて全国のサポーターが支援物資の仕分けや配送に自発的に集結。その団結力こそ、Jリーグが築いてきた誇るべき財産なのです。

さらにもう一つ、かけがいのない価値―それは「壁を超える価値」。

山下氏が「壁を超える価値」と語るのは、スポーツが持つ本質的な力です。サポーターのユニフォームをアジアの子供たちへ届ける活動で、彼はカンボジアやブータンなど各国を訪問。そこで出会ったタイの友人から「耳の聞こえない子どもたちを日本でサッカーさせたい」と相談され、FC東京の子どもたちと交流の場を実現。言葉も文化も通じないのに、子どもたちはすぐに打ち解け、心を通わせました。国境も障害も宗教も越える子どもたちと、スポーツの力に、改めて感動したと語ります。

プレゼン中、モニターに映し出されるサポーターの本気の泣き笑いやアジアの子供たちのキラキラした笑顔、躍動する姿は同社の提供する価値の大きさを物語っていました。

講演後の質疑応答では、多くの質問が寄せられました。自走する組織、熱狂的なファン、それらを創り出す仕組み。経営者としてはぜひ手に入れたい、ぜひ知りたいことばかり。その解決策のヒントを得ることができたかもしれませんね。

スポーツは単なる勝敗を競うものではありません。人と人をつなぎ、地域に誇りを生み、未来を担う人間を育てる力があります。

Jリーグの歩みは、それを証明する確かな実例です。今こそ、地域の力を信じ、人の成長に投資する時。スポーツを“まちづくり”の真ん中に置くことで、私たちはもっと強く、温かく、誇れる地域を育てていけるのではないでしょうか。

PAGE TOP