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アチーブメント株式会社 針生栄司氏講演会~大谷翔平〈立志秘話〉 3月20日

きしくも東京ドームでのMLB開幕第2戦で大谷選手が今季第1号のホームランを放った翌日、その大谷選手と深い関わりを持つ会社のまさにタイムリーな講演会となりました。

言わずと知れた“二刀流”。並外れた打撃・投球・走塁の技術を誇る大谷選手。しかし彼にはそれらを生み出した、より上位の卓越した技術がありました。その技術とは・・・

今回ご講演をいただいたのは、企業の社員教育研修や組織開発・採用コンサルティングなどの事業を展開し、「教育」を通じてより豊かな社会の実現を目指すアチーブメント株式会社の針生栄司氏。2025年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング中規模部門で第1位に輝く同社で、青木仁志社長の後継者といわれる若きリーダー。今回は『立志 夢実現特別カリキュラム』というテーマで、大谷選手の母校:花巻東高校での取り組みについてお話をいただきました。

さて、冒頭の問い・・・大谷選手の卓越した技術とは何でしょう。それは「目標達成」の技術です。花巻東高校野球部時代、アチーブメント株式会社の研修を受講し身に着けたこの技術を、自らの目標達成、夢の実現のために実践。単に“野球人大谷”としてではなく、“人間大谷”として世界中を魅了する人格形成の礎としてきました。

その研修がきっかけで2019年より同社が花巻東高校への支援を開始した産学連携の「教育」プロジェクト―それが『立志 夢実現』特別カリキュラム。生徒が夢・志を育み、社会で活躍する人材へと成長できる高校生活をゴールに設計。手帳を使った目標達成のトレーニングや年3回の生徒向け特別授業、年1回の教員向け研修を実施しています。生徒ひとりひとりが自身の夢と実現の道筋を刻んだ手帳を活用してのトレーニング。実際に大谷選手が手帳に描いたマンダラチャートの画像をご覧になった方も多いのではないでしょうか?

今でこそ各メディアで紹介され有名になったこの取り組みですが、その始まりは「かなり衝撃的でした」と針生氏。当初は先生方のモチベーションが驚くほど低く、あきらめムードが漂っていたそうです。いくらプロの指導者として教育するといっても、日常生徒に接し指導するのはもちろん先生。先生方が生徒を信じ、カリキュラムの力を信じ、地道に実践してくれなければ夢は実現しません。どうしよう・・・

野球部の監督であり、大谷選手の恩師でもある佐々木洋氏には自らの知見から生まれた指導哲学があり、そこに「目標達成は技術である」というアチーブメント社の信念から生まれた効果実証済みの成功法則を融合し、独自のカリキュラムをつくりあげました。

佐々木監督による指導哲学の根幹・・・夢を実現するためには ❶目標を数値化すること ❷期限を設定すること ❸ワクワクするような内容にすること ❹紙に書き出すこと・・・。それを実践するための手法がオリジナル手帳の開発と活用。ひとりひとりが専用の手帳に夢や目標、その達成に必要な項目を書き込み、日々の行動を管理。粘り強く実践したところ徐々に変化が・・・。先生方の反応が変わり、自発的・積極的な取り組みが増えた結果、全生徒の76.6%が手帳を活用できているというアンケート結果が得られ、さらにこの手帳の存在が6割以上の新入生の入学理由に影響を与えました。また、野球部だけでなく2023年度は6つの部活が岩手県大会を制覇。手帳の活用度が高い生徒ほど学校満足度が高いという結果が生まれました。

この成果の推進力となったのはワクワクと感謝の気持ち。前人未到の領域に挑みながら楽しそうに野球に取り組み、優しい心遣いや品格の高い言動で世界を魅了する大谷選手の姿は、まるで「目標達成」の技術の奥義を体現しているようですね。

この花巻東高校とのプロジェクトを契機に、「世界で活躍する人材を育成できる技術を持った指導者を輩出したい」と語る針生氏。その自信にあふれた言葉に思わずモニター越しに背筋が伸びました。

教育の劣化や現場の疲弊が叫ばれる昨今、ここでも民間の力が生かされ、さらに必要とされています。民の力で日本を変えるー「暁の会」2025年開幕にふさわしい講演となりました。

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