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医療法人 志明会 やまむら総合歯科 矯正歯科 院長 山村昌弘氏講演会 7月27日

20XX年 とてもよく似た2人がいました。違いといえば住む地域くらい。2人とも絵にかいたような健康優良児で、末永く元気な人生を送るだろうと誰もが思っていました。ところが2人の人生は明暗を分けます。Aさんは生活習慣病を患い、つらい晩年を過ごした後、平均寿命にも達しないうちに生涯を終えました。そしてBさんは周囲がうらやむような健康な人生をその後何年も過ごしました。とてもよく似た、住む地域だけが違う2人。いったい何が明暗を分けたのでしょうか?

今回ご講演をいただいたのは、医療法人 志明会 やまむら総合歯科 矯正歯科の院長 山村昌弘氏。

今年3月に、『遊園地などの入場者数ランキング』で、東京ディズニーランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに次ぐ全国3位に輝く「刈谷ハイウェイオアシス」至近の好立地に移転開業(スタッフ90名、チェア34台)したことでも脚光を浴びている“歯医者さん”です。開業からわずか20年というのも驚きですが、注目すべきは彼らの目指すビジネスモデルと経営戦略です。

わかりやすく説明するために、20XX年に話を戻しましょう。

2人の違いは住む地域だけでしたが、まさにそれが明暗を分けたのです。2人は共に地域の歯医者さんに通い、定期検診もちゃんと受けていましたが、Aさんの通う歯科はよくある「歯科完結型」でした。歯のこと以外は何もしてくれませんでした。一方、Bさんの通う歯医者さんは「地域完結型」でした。お口の中に現れる病気の予兆を察知し、予防をサポートしてくれ、連携している病院を紹介してくれました。歯医者さんが、生涯の「かかりつけ医」として、医療や介護の現場と連携しサービスを提供してくれたのです。Bさんの住む地域では『歯科から始まる地域包括連携』が確立されていました。Bさんは、歯医者さんに行くだけで生活習慣病を未然に防ぎ、健康を維持することができたのです。

「これが目指す歯科の姿です。」と語る山村氏。生活習慣病や感染症といった深刻な病気を、その予兆であるう蝕や歯周病の段階で止めることで、健康寿命をのばし、さらには、機能維持や回復のためのリハビリテーションの現場にも関わっていく。歯科を健康ステーションとして、医科・介護との地域包括連携を通じ、地域住民の健康を守ってゆく。それが2025年以降の地域医療のビジョンであり、ビジネスモデルだといいます。

「国策と足並みをそろえることが大事です。」―

高齢者の急増、人口の急減といった深刻な社会問題を放置(?)してきたこの国ですが、2017年以降、明確なビジョンを閣議決定し、以後随時情報を発信しています。

「厚生労働省のHPを見ればわかりますよ。」―

なるほど、問題の本質を理解し、国の方針を知り、同じ方向に舵を切る。山村氏の経営戦略も国策に準じたものなのですね。

しかし、国策との連動とはいっても、その活動は草の根活動そのもの。連携するパートナーを求めて何度も手紙を書いたり、粘り強く話したり・・・立ちはだかる前例主義、ことなかれ主義の壁に風穴を開け、ひとりひとり仲間を増やす地味な作業の連続です。その活動を支えているのは崇高な理念と身に付けた目標達成の技術です。

どんな道を進むべきか、どんな目標を掲げるべきか、経営者なら迷うこともあるでしょう。そんな時、国を見れば地域がわかる。30年後を考えれば今が見える。意図的に視野を広げたり、視点を遠くに置くことによって近視眼的な思考の呪縛を逃れ、未来から逆算する成功物語に辿り着けるのかもしれませんね。

 

会員の皆さんも、歯医者さんの定義をも覆す発想と確かな実践力に大いに刺激を受けた様子。

今頃は、早速自分のビジネスに置き換えてビジョンや戦略を再検証したり、政府のHPをチェックしているかもしれませんね。

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